Sportsの窓


EPISODE 12

〜 The World Cup in New Zealand at 2011〜

wc logo

 【1】


ラグビーの祭典がいよいよ始まりました!

2011年第7回のラグビーワールドカップ


2011 Rugby WC Opening
オープニングセレモニー


前回大会北半球開催から
“ラッキーセブン”の第7回大会は南半球
第1回開催地ニュージーランドへと戻りました



オープニングセレモニー
NZらしい先住民族マオリを全面に出したセレモニー


今回はニュージーランド1カ国での単独開催になり、
9月9日を皮切りに約1ヶ月半


10月23日の決勝戦までラグビーファンにとっては
至福の時を過ごすこととなります





その7回大会の歴史の中でも
個人的に4回出場した選手の中で
どうしても外せない、この選手の出る試合だけは特別な思い入れがある!と
一方的に力が入る選手がいます


オドリスコルとジョニ
2005年の六ヶ国対抗戦時は各国の主将だった
オドリスコル(現在まで続く)とジョニ



彼らを初めて国際大会で観た1998年
1999年の第4回大会から
ベテランに混じって新人として一生懸命にグランドを走り続けてきた
この2人
左はアイルランド主将センター ブライアン・オドリスコル
右はイングランド代表スタンドオフ ジョニー・ウィルキンソン

この長いようで、短かった13年間の六ヶ国対抗戦や
南半球線との4年に1度のライオンズツアー、
日本で観ることのできるテストマッチ、
そしてワールドカップには彼らが出場してこその代表チームとしても
面白い試合が期待できる、何かをやってくれる!と・・・
選手として観ていてわくわくするプレイをしてくれるこの2人

スタメンに出るかもしれない試合には
どんなに時差があろうとも眼をこすりながら観続けてきた2人の試合

オドリスコル
切れの良いステップの13番オドリスコル オドサイトより

イングランドのジョニ
キックも然ることながらパスが抜群のジョニ BBCより


おそらくポジション的にも次回WC8回大会には
奇しくも地元イギリス大会には選ばれることはないだろう・・・と予測される2人
(もし、もし・・代表に選ばれるまで2人が現役で居てくれるなら・・
至上最大のこの上もない喜びですが・・・)

今大会に於いてはこの2人のチーム
イングランドとアイルランドを中心に作っていく我儘を
どうぞ、ご容赦くださいませ





そして、ほんの少しでもご一緒に楽しんでいただければ・・
こんなに嬉しいことはございません









 本番!開幕!NEW ZEALANDへGo!



大会会場MAP


日本との時差3時間のある
南・北島と2つの島を持つニュージーランドで行われる
第7回の大会会場は
上の地図のように11箇所でのスタジアムを使います

都市/街名 スタジアム名
WHANGAREI Northland Events Stadium
AUCKLAND Eden Park
North Habour Stadium
HAMILTON Waikato Stadium
ROTORUA Rotorua International Stadium
NEW PLYMOUTH Stadium Taranaki
NAPIER Mclean Park
PALMERSTON NORTH Arena Manawatu
WELLINGTON Wellington Regional Stadium
NELSON Trafalger Park
DUNEDIN Otago Stadium
INVERCARGILL Rugby Park Stadium


南半球ラグビーファンの方々にはお馴染みの
スーパー14やテストマッチで使われる
素晴らしいスタジアムがこの国には沢山あります

第1回大会も下記のイーデンパークが開幕、
決勝戦と素晴らしい試合を見せてくれました
今大会では更に改装されて60,000人収容できるようになり、
この国の“国技”とも言えるラグビーに対する思いが詰まっています

オークランドのイーデンパーク
1991年の第1回大会にも使用された代表となる
オークランドのイーデン・スタジアム



そして、出場国は全部で20カ国

下記のような4つのPoolの分けて

予選、本戦(決勝リーグ)へと続きます

Pool A

New Zealand. France. Tonga. Canada. Japan

Pool B

Argentina, England, Scotland, Georgia, Romania

Pool C

Australia, Ireland, Italy, Russia, United States

Pool D

South Africa, Wales, Fiji, Samoa, Namibia

約3週間をかけて
予選とも言う各プール内で総当り戦が繰り広げられ、
その中で1、2位のみが決勝トーナメントへ進みます


さて、今年の大会はどんな波乱が待ち受けているのでしょう!


Australia Taem
NZは現在冬
曇り空に向かって練習するお隣オーストラリアチーム 公式サイトより








〜 いざ!開幕! 〜


NZのみならず世界のラグビー人にとっても
“グレートプレイヤー”である
ジョナ・ロムーが登場したオープニングセレモニーの興奮止まない内に始まった
今大会の第1戦目は
地元オールブラックス対トンガ

60,000人収容となり
大きなスタジアムとなったイーデン・パークが
満席となり、1部の空きにないくらい観客に埋め尽くされた開幕戦

南半球と南太平洋の言わばご近所同士の組み合わせとなりました

トンガのsipi
トンガのSipi Tou
ニュージーランドのHAKA
ニュージーランドのHaka


相手が世界ランキング1位(NZ)とは言え、

何が飛び出してくるか?は解らないトンガ勢

トンガチーム
トンガチーム 公式サイトより


体は重そうだし、力は有りそうだし・・・
走り出したら早いし・・・
NZだってそうそう簡単に勝たせてもらえないチームの一つです

世界ランキング1位に輝くこの地位に居ながらにして
何故か第1回大会以降
中々黄金輝くエリス・カップに手の届かない地元NZは
前大会時には北半球で行われた大会後
帰国が危ぶまれたほどに国民からブーイングされた、という苦い過去を持ちます

そのため今大会は地元、ということもあり、
余り騒がず・・
チームへプレッシャがかからないようにとの配慮もなされている・・・と・・
しかし、そんな心優しい応援する同朋への気持ちか・・?

41−10

快勝のスタートを切ったオールブラックス

NZ対トンガ 開幕戦
快進撃のS.Williamsの左背走する
主将のリッチー・マコー


終わってみればトライ6個のボーナスポイントまでもぎ取る快勝!

何とか危なげなくスタートを切った
地元チームに地元応援団はさぞかし気持ち良く眠れたことでしょう


オールブラックスは僕らのヒーロー!
「僕の憧れはオールブラックス!」






さて、可能な限りどの試合も愉しく観ておりますが、
やはり2日目登場した
まるでオールブラックスのようなセカンドジャージで現れた
イングランドチームと
迎え撃つのは前回大会3位、という快挙を成し遂げた
アルゼンチン


南島の街風光明媚なDUNEDINは
Otago Stadiumでの今大会の初戦になりました


Otago Stadium

30000人収容できるこのスタジアムが超満員!
大会中でも最も人気のある試合になりました


テストマッチでも散々な目に合わされている
イングランドのジェネラル・マネージャーのマーティン・ジョンソン

イングランドマネージャー ジョンソン

彼にとっては自身でも2度目の優勝を狙うべく
どんな試合でも落とすことはできない・・・
そんな大事な第1戦

しかし、本来主将の乱暴者(私にはそう見える・・でも、頼りになる親分肌)
7番フランカーのムーディーが怪我で欠場

代わりにこの試合主将はセンター12番のマイク・ティンデル
(彼はロイヤルファミリーの元“反逆王女”と異名を持つ
アン王女の長女ザラ・フィリップスと大会前の7月30日に結婚!


本日の主将マイク・ティンデル
マイク・ティンデル 公式サイトより


さて、時間一杯!
4回目のこの大会出場を果たした
アルゼンチンの大黒柱
主将の10番スタンドオフのコンテポーニのキックから始まった試合開始



ラインアウト
苦しんだラインアウト 公式サイトより

試合開始最初のラインアウトはイングランドは乱れ、
ファーストスクラムも第1列が落とし、
早々にアルゼンチンはペナルティ・キックから3点をもぎ取る

0-3

しかし、続く11分に今度はアルゼンチンの反則があり、
ジョニの左足から3点取


3-3

ジョニのキック

しかし、アルゼンチンの攻めは非常に早く、
またラックになってもしぶとい動きで
イングランドのフォワードも攻めあぐねてしまう・・・

攻めきれずイングランド
強いアルゼンチンのフォワード タックルに行くジョニ 公式サイトより


アルゼンチンの全選手は非常に戻りも攻めも早く、
お家芸でもあるイングランドのフォワードは追いつけず
ラックからモールになっても
アルゼンチン選手は決して動きが止まることなく
前へ!前へ!

そのためにイングランドフォワードの反則が目立ち、
その度毎にペナルティ・キックを与えてしまう


アルゼンチンの10番主将コンテポーニ
アルゼンチン10番主将のコンテポーニ


しかし、ここでイングランドとしては
本当に助かったのは
アルゼンチンの重鎮10番主将のコンテポーニが
試合開始わずか25分で脇腹の怪我で退場

どうにも自分のペースに乗れない・・
それほどアルゼンチンのフォワードのみならず全員が弾丸のように
低い体勢で突っ込んでくる、その当たりの強さ、
動きの早さに翻弄されたイングランドはとうとう前半34分
3番コールがモール内でのペナルティにより
10分間退場のイエローカード

イエローカード
モール内で倒れながら足を持って離さなかったコール


しかし、その後のペナルティ・キックを任された
15番のロドリゲスはここでチャンスのペナルティ・ゴールは失敗

一人欠けるイングランドの中でひたすらタックルへ向かうジョニ

タックルへジョニ
相変わらずタックルへ向かうジョニ 公式サイトより


後半は結局ペナルティゴールの得点のみ

 
3-6

わずか3点差
アルゼンチンの1ゴール分リードされて
イングランドは一人足りない状態で後半へつなぎます

しかし、前半同様に疲れ知らずのアルゼンチンは
低い体勢での突っ込みに
さすがのジョニのタックルもかわされる場面もあり、
イングランドの一人欠けている状態から
またまた焦ったフォワードの反則で
アルゼンチンのペナルティゴールが成功

 3-9

ここで6点のリードを許してしまう・・・

その後15人に戻ったイングランドに対し、
アルゼンチンのハンドリングエラーにより
ペナルティキックのチャンスをもらうも・・・ジョニのキックが外れる・・・

ペナルティキックの用意
その後外れてしまうジョニ

その後2本のペナルティキックのチャンスを生かせなかったジョニは
合計3本続けてキックを外す
おーまーがっっっ

ゴールが入らないジョニ
続けて3本外したジョニ

今まで10数年観てきたジョニがこんなにキックを外すのは見たことがなく・・

正直なところ・・・この試合で使っているボールに
何か細工がしてあるのではないか?と疑う自分がこの時はいました・・・
(WCという大きな試合では何があっても可笑しくない・・
1995年の決勝戦南ア対NZでの食事事件は生きている?のでは・・・??)


スクラム
がっつり組んだスクラムもアルゼンチンは負けていない

まだ後半の時間はあるので焦る必要もないはずなのに
お家芸であるフォワード陣が
自分達のペースで進まない苛立ちか?
スクラムを落とすペナルティから相手にペナルティキックのチャンスを与えてしまうが、
ここで紙一重の状態でやはり“勝利の女神”がどちらに微笑むか・・?の瀬戸際

アルゼンチンのキッカー15番のロドリゲスもジョニ同様
ゴールに失敗を重ねてしまう・・

49分にイングランド9番の交代したヤングが
モールになったところから
やっとジリジリと前に出てきた味方フォワードから出たボールで自ら飛び込み
この試合唯一のトライ!

抜けたヤング トライ!

今までの鬱積を晴らすような見事なトライでした

イングランド ジェネラル・マネージャー ジョンソン
イングランドのモニタールームのマーティン・ジョンソン

思わずガッツポーズの出た
イングランドのマーティン・ジョンソン

コンヴァージョンに臨むジョニ
トライ後のコンヴァージョンを蹴るジョニ

その後のコンヴァージョン・キックもジョニがきっちりと決めて、
イングランドの点がやっと動きました

 
10-9

その後1本のペナルティ・ゴールを外した(??!どうしたんだーーっっ??!)ジョニの
再び71分のアルゼンチンのフォワードからのペナルティから得たゴールで
 
13-9

残り約10分の攻防は両者一歩も譲らぬ一進一退を続け、
最後の最後までフォワード、バックス共に進むアルゼンチンを退けたイングランドは
今後の試合に大きな課題を残した一戦となりました

試合終了
激戦終えて・・両者一体・・・


何故ならばこの試合は一重に
6本のペナルチィ・キックにわずか半分の3本、
ドロップ・ゴールも試みるが失敗、と
得点源をなり得るチャンスを生かすことは出来なかった

アルゼンチンに紙一重の状態で運に見放された試合だったと思います

奮闘するアルゼンチン
低い姿勢での突進は最後まで続いたアルゼンチン


そして、最後までキックに苦しんだジョニを蹴らせたイングランドは
最後まで「自分達の勝ちスタイル」を貫き、
その結果としてこの試合唯一のトライを生み出しました

トライしたヤング
唯一のトライとなったイングランド ヤング


いろいろな意味でイングランドは己のやり方を貫き、
勝利をもぎ取った一戦でしたが、
次ぎの試合出場までにジョニのキック調整がとても気になる試合後でした

ジョニの後ろ姿
後ろ姿も苦しそう・・・ジョニ 5分の2本のみ成功
こんなに低い成功率はめった見られないぞ・・・・








<おまけ>

  〜 アイルランド VS オーストラリア 〜


15-6


何と言ってもPOOLCのアイルランド対オーストラリアの一戦!

これぞ!正しく激闘!


常に僅差での対戦となる
1995年、2007年と僅か1点差でワラビーズことオーストラリアに
薄氷の如く・・逃げ切られている
アイルランド



対ワラビーズ戦
Rugby Anthem「Ierland Call」を歌うアイルランドチーム IRFUより



今大会は決して今までの鉄を踏むようなことなく、
すでに“次ぎはない!”と
ドレッシングルームで珍しく主将オドリスコルが檄を飛ばした、とのこと・・・



アイルランド主将オドリスコル
アイルランド主将 ブライアン・オドリスコル
彼ももう来年早々32歳になろうとしている BBCニュースより



正直なところ日本で放映されている番組局の呼ぶ
日本人解説者達は(ラグビージャーナリストと呼ばれる方々ですが・・・)
“南半球最強チーム信仰者”が目立ち、
今回の一戦も試合前から
すでに“オーストラリア勝利”を確信したかのような解説をしてくださる・・・
聞いててむかむかしてくるお話をお身内同士でしてくださる・・

そんな状態が続くので
しばしば解りもしないのに英語放送で観始めるのだが、
悲しいかな・・・
時々解らないことも出てくるので
元の日本語放送に変えざるを得ない・・・

どうみても劣勢の続くワラビーズに対して、
“まだ余力残していますな〜とか、
アイルランドはベテランばかり(体力的に若いワラビーズに劣る?
後半までこの勢いが続かない・・などなど・・)と
次ぎの世代交代を心配してくれるけど、
WCの今!この時!には次ぎなど考えていることなどないはず!

若い主将ワラビーズのホーウィル
26歳の若いワラビーズの主将ホーウィル(中央) 公式サイトより


逆にこのような大きな大会では「大勝負に慣れているベテラン」ほど
力強いものはない!、と自身は思うのですが・・・

どうやら日本のラグビー解説大御所さん達は
その辺が「南」と「北」という一戦になると違うらしい

「北」のラグビーは地味に見えるかもしれないが、
力と力のぶつかり合い
「南」ンおラグビーは展開して派手だけれど・・・
やっぱり観ていて見応えあり、後々まで残るのは
がっつりとしたフォワード戦の北の試合、だと私は思う
好き嫌いなのかもしれないけれど

なので、解説には元選手の方々の方がよっぽどまし、って感じです




アイルランド重鎮の4番5番
アイルランドの重鎮4番5番は共に31歳になる大ベテラン IRFUより
4番オカラハン、5番オコンネルは三回目のWC
この試合の決めては北半球お得意 ラグビーの基本のクスラム

そんな出だしの放映から始まったこの一戦は
見事にアイルランドが勝利をもぎ取り、
最後の最後まで一時も息も出来ないような一戦となりました

アイルランド4番オコンネル
高いラインアウトはアイルランド4番オコンネルから

タックルされるオーストラリアのクーパー
二人がかりで止められるオーストラリアのクーパー

突進するオドリスコル
密集から抜けたオドリスコル

クーパーに絡むオドリスコル
クーパーから奪うオドリスコル

競り合う15番のカーニー
若いオーストラリアの2人と競り合うカーニー

トライする15番カーニー
そして、競り勝ってカーニー!存在感抜群

セクストンから交代するオガーラ
先発が定着しつつあるセクストンと12番ダーシーとの交代オガーラ
オガーラのキック
オガーラのキック・・入るまでどきどき

「夢」かもしれないけれど
この一戦を見ていて・・もしかしたら、オド最後のWC大会になるかもしれない
この大会でアイルランドが優勝したら・・・


勝利の瞬間
ノーサイドの瞬間 喜ぶアイルランドチーム


思わずそんなことも「野望」ではないかもしれない・・・


アイルランド主将 オド
試合後にグラウンドに再び出てきたアイルランドチーム
主将のブライアン・オドリスコル
この試合で同じチームでコンビを組むダーシーと
記録的な試合数を達成した


いやいや・・どうせ見る「野望」ならば
イングランド対アイルランドの決勝戦を観たいものである












4年に1度の嬉しいラグビーWC
このページだけ(?)では好きなことを綴らせていただくことを
どうぞ、ご容赦くださいませ




ラグビーのお好きな方々のご意見をお待ちしております







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 ・2004年シーズン後 EPISODE 2
 ・2005年六カ国対抗戦  EPISODE3 【1】〜【3】はこちらからお進み下さい
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 ・2006年六カ国対抗戦 民族の戦い EPISODE5【1】  【2】〜【3】はこちらからお進み下さい
 ・プレミアシップ観戦記 その1 2007年
 ・プレミアシップ観戦記 その2 2007年
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 ・2007年 The World Cup in France EPISODE6 Road of the World cup 2007 【1】
 ・2007年 The World Cup in France EPISODE6  Road of the World cup 2007 【2】
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